本来の日本の素材を忘れない
江戸時代より家業(米商人)であった初代弥四郎が、裏作で採れる菜種(からし菜)を搾った一滴の油でした。明治34年に創業し、私で4代目です。油屋として創業百余年を迎えましたが、戦後日本の食文化の発展と多様化により需要が増大し、いつの間にか大型機械で大量に生産される商品ばかりになっています。そんな、大量消費されている食用油ですが、私が幼いころに祖父から「油一升・酒五升」「油一升・醤油一斗」と聞いてきました。油は戦前までは、日本人にとって大切なエネルギー源であり、とっても貴重で高価な調味料だったのです。私は、祖父の遺言である「たくさん売るより正直に作って行きなさい」を原点に、手間と時間をかけて、商品づくりをするメーカーである事。目先の欲にとらわれず誠実にモノづくりをする事。食品の中でもっとも大切な「味づくり」という仕事に取り組んでいます。いつの頃からか作り手に消費者の声が届きにくくなってきています。流通の都合で保存料を添加された食品。見栄えと価格を優先させたために欠落してしまった栄養成分。お客様は、そんな食べ物を望んでいるのではないと私は信じています。私どもの商品は、いずれも原料を厳選し、素材の味を生かすため、製法にこだわりを持ったものばかり。生産量も販売量も少なく全国の店頭に並べる事ができませんが、通信販売という形で全国の方々に味わっていただいております。
たなか油屋は、これからも原点を忘れることなく、お客様に心から美味しいと思っていただける商品を全国に発信していきたいと思います。